福智山900.8m)〜尺岳(608m)

アサギマダラに出会えた山

 
 「あっ、アサギマダラが沢山いる!」アサギマダラと言えばフジバカマの花が普通の組み

合わせだが、目の前の花はタムラソウ。タムラソウは一見アザミに似ているが、その葉には

アザミのようなとげがない。タムラソウの群落の中でアサギマダラがボンボリのような花に

止まったり、その周囲を乱舞したりしている。これは素晴らしい!こんな珍しい情景に出会

えるとは本当に幸運である。

 それは2009年10月4日のことであった。この日に私たちの山仲間は北九州地方の最

高峰である福智山に登り、尺岳へ縦走した。光を6時に出発して、徳山東ICで山陽自動車道

乗り、8時過ぎに小倉南ICを降りる。国道322号線に入るとパトカーが先導してくれる形

になった。8:22に鱒淵ダムに到着してみると、ダムの堰堤には既に数台のパトカーが並

んでいる。ダムに人が飛び込んだのか?警官が右往左往している。

 身支度をして8:35に出発する。堰堤を渡り、湖畔のサイクリング道を進む。赤い吊り

橋を渡る予定であったが、「通行止め」になっていたので、そのまま奥へ進む。

9:13に登山口に到着して、そこの広場で準備体操をする。9:23登山口を出発する。

薄暗い樹林の登山道を進むと、9:27「福智山まで3500m」の標識を通過。

 9:58「福智山まで2500m」の標識を通過する。10:05ホッテ谷分かれ通過。

直進すれば、烏落としに行けるが、私たちは左折する。アカカシの看板のあるアカカシ林

を通り抜け、10:16涸れ沢で休憩する。

10:25「福智山まで2000m」通過。10:45「あと1500m」

10:57大杉と一緒に写真を撮ってもらう。11:10ヤマボウシの木に赤い実が鈴なり

になっているので、しばらくの間、皆で賞味する。

11:32ベンチの所で休憩する。この辺りはススキの原で、オミナエシ、リンドウ、アキノ

キリンソウなどの花が見られる。ススキの向こうに福智山の頂上が聳えている。

 比較的なだらかなススキの原を通り抜け、最後の急坂を登り詰めると、11:50大きな

岩と石祠のある福知山(900.8m)の頂上に立つ。そこには先着の多くの登山者が昼食を

とったり、写真を撮ったりしていた。お天気は抜群で、頂上からの展望は360度バッチリ。

これから登る尺岳も遥か北の方角に見える。

 昼食をとり、記念写真を撮って、12:38に尺岳に向けて下山を開始する。

 12:38に出発。急なススキの原を下り、遥か北の彼方に聳える尺岳に向かう。

12:50頂上の下にある山小屋に到着する。正面の壁に「山は友達 みんなは仲間」

と書いてある。タムラソウの花に群がるアサギマダラを発見したのは、この山小屋の

前に延びる登山道であった。

13;02「尺岳まで4000m」、鈴なりのヤマボウシの実の下で休憩。この辺りはずっ

とヤマボウシのトンネルで、花の時期には白い花が一杯で、さぞ見応えがある景色だろう。

13:22「尺岳まで3500m」、この辺りは比較的なだらかな縦走路である。

14:04七重の滝分かれ。14:10「尺岳1.5km  福智山3.5km」

14:35尺岳の頂上に立つ。14:45集合写真を撮って、下山開始。

15:07七重の滝分かれまで後戻りをして、これから薄暗い急な山道を下る。

 15:19七重の滝が登山道の下の方に見える。さらに進んで、ジグザグの「ようじん坂」

を下る。本当に面白い名前を付けたものだ。用心しないと本当に滑って、転びそうな急坂である。

16:36登山口に到着して、朝と同じ所で整理体操をする。これから平坦なサイクリング道

を戻る。17:00鱒淵ダム駐車場に無事到着。万歩計を見ると35、000歩であった。 

  数日後、下関市でフジバカマに群がる、南へ渡る途中のアサギマダラのニュースがテレビ

や新聞で報道された。2009年10月9日の朝日新聞には次のような記事が出た。

 『南の旅 気をつけて』
「関門海峡を渡るヒヨドリと、長い旅をするチョウとで知られるアサギマダラが下関市に姿を

見せ始めた。いずれも、この季節に目を楽しませてくれる秋の風物詩。
アサギマダラが飛来したのは、下関市富任町5丁目の市園芸センター。秋の七草の一つ、フジ

バカマの中で羽を休ませている。秋になると東日本から九州、沖縄、台湾などへ南下する。

同センターにはフジバカマが咲くこの時期に毎年、飛んでくるという」

 そして植物に詳しい知人から周南市鹿野の二所山田神社のフジバカマに群がるアサギマダラ

を見に行ったというメールと素晴らしい写真を貰った。その写真がとても良く撮れているので、

ここに紹介させてもらいます。

私たちが福智山で出会ったアサギマダラもやはり南へ渡る途中の休憩だったのだろう。渡りの

途中のアサギマダラの群れに出会えるなんて本当に有り難いことである。

偉大な自然の恵みに感謝。



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