行縢山  むかばきやま  MUKABAKIYAMA
  2007年3月10日午前8時に徳山駅前をマイクロバスで出発した[のぞみ山岳会」の16名は、先ず防府市向島小学校の寒桜を鑑賞した。それから築城400年を迎えた熊本城で昼食・休憩後、高千穂峡の散策に行く。ホテルに入ったのは午後5時半であった。
夕食の宴会後、午後8時からホテルの直ぐ前にある高千穂神社で1時間に及ぶ夜神楽(岩戸神楽)の説明と熱演を鑑賞して一日目が終わる。

 3月11日は、7:48にホテル高千穂を出発して、行縢山に向かう。心配していたお天気は上々。途中から「あれが行縢山だ」と直ぐ分かるような山が見えてきた。左の峰が今日登る雄岳(829.9m)、右の峰が雌岳(809m)であろう。平田町交差点を案内標識に従って左折して、近づくに連れて切り立った岩肌の岩峰が目の前に聳えてくる。8:45に行縢青少年自然の家の駐車場に到着する。既に3台ばかり車が駐車していた。
 身支度をし、準備運動をした一行は9:00に出発した。駐車場の北側に階段があり、そこからの行縢神社大鳥居の右側にある登山口に通じる。しばらく生い茂った樹林の良く整備されたの登山道を進んでいると、後ろから女性の声が聞こえる。立ち止まってみると、若い女性が走って来る。「私は青少年自然の家の職員ですが、山口ナンバーの車に気が付きました。山口から来られたのですか。山口からの登山者は珍しいので、もし良かったら、頂上の皆さんと自然の家の私たちとヤホーコールをしていただけませんか」という依頼を受けた。
勿論、私たちは大賛成。早速トランシーバーを1台貸して貰って、無線機に詳しいS氏が代表で操作方法及びコールナンバー「ムカバキ1、ムカバキ3」の説明を受けて交信テスト行う。なお、「下山時、入浴の希望があれば、無料で用意しますが」というご親切に甘えることにする。

 行縢青少年自然の家が近い為か、「年輪はこうしてできる」という看板があり、登山道の両側にはカゴノキ、イチイガシ、バリバリノキなど樹木名の立て札が整備されており、自然観察に良い環境になっている。しばらく進むと木製の橋がある。橋を渡って更に進むと9:24に行縢山の形をした可愛い案内板「第1の沢 山頂まであと3040m」が私たちを迎えてくれる。
 木漏れ日の差し込む登山道を進んでいると急に前が開けて、右手上空に雌岳の岩峰がそびえたつ場所に出てきた。そこから大きい岩がごろごろした沢を渡渉すると、いよいよ岩のごろごろ道は急坂になり、ジグザグに登ることになる。9:34には「一の汗 山頂まであと2600m」を通過する。一の汗、二の汗とは、適切な場所に良いタイトルを付けたものだ。
 更に森の中を登っていくと、9:38に金属製の立派な吊橋、「滝見橋」に到着する。ここは橋の名前が示すように橋の上から左側に行縢の滝が見える。この橋を渡った所でしばらく休憩して、水分補給をする。仲間はそれぞれ橋の上で行縢の滝を眺めたり、周囲の景観を写真に納めたりしている。
   休憩が終わると、一段と急な登山道に入って行く。ここは九州自然歩道だけあって、安全面には非常に気が配られており、大岩で滑りそうな場所には金属片を固定して階段にして、危険防止策が施してある。石の階段を上っていると、9:55に行縢の滝展望所への分岐に差し掛かる。展望所行きは下山の折に回して、今はまず頂上を目指すことにする。
10:00に「二の汗 頂上まであと2040m」点を通過。それからジグザグの階段をしばらく上り、右側に雌岳への分岐、更に杉丸太の階段を登ると、10:15に峠に到着する。そこには山の神の祠が祀られている。そこで小休憩をして、少し進むと10:24に県民の森との分岐点。「県民の森まで600m」と書いてあるが、私たちは左折して谷の方へ下って行く。しばらく下って、沢の木橋を渡る。
 この沢が滝の上流になるらしい。表示には「第3の沢 頂上まで1250m」と書いてある。そこから更に進むと杉林の中に「最後の水場」がある。小さいパイプから少量の水がと流れている。折角の水だから有り難くいただく。「おいしい!」元気を出して進むと「杉並木の汗」という標識も見られる。汗が出るほどの傾斜ではないが、坂道は続く。10:53に「頂上まであと500m」を通過。 11:00に尾根に到着する。そこには山頂への標識の傍に寒暖計がある。摂氏12度であった。そこから左折して稜線を進むと、すぐに岩峰が現れる。11:10に山頂に無事到着する。

 頂上では既に地元の人は勿論大分や神奈川の方から来た人たちが食事をしている。私たちは三角点にタッチすると、先ずしなければならないのは、直ぐ真下に見える行縢青少年自然の家の職員とヤッホーコールをすることである。自然の家の緑の屋上には数名の職員が待機している。互いに無線機で交信をしながら、先ず私たち16名が声を合わせて「ヤッホー」と叫ぶ。もう一度繰り返す。今度は下から叫ぶ番である。下は人数が少ない上に600mばかりの標高差だから大変であろう。「静かに!」と言って全員がシーンとした状態で、ゴーサインを送ると、下からの「ヤッホー」が届いた。これで「ヤッホーコール」は終了である。青空のもと暖かい日差しを受けてそれぞれ弁当を開く。頂上からの展望は満点。延岡の市街から更に沖には日向灘まで見渡せる。南には5年前に登った尾鈴山も見える。

 食事が終わると、恒例の万歳三唱、記念写真を撮って、11:40に下山開始。石が多い道なので、注意が肝要である。12:03に沢の渡渉。12:11「第三の汗 頂上まであと1360m」通過。県民の森分岐点を右折して、12:19に山の神峠に戻ってくる。
12:30雌岳分岐で小休憩をとる。12:40行縢の滝展望台への分岐に差し掛かる。
ここで右折して登ると、12:42に滝に到着する。ガイドブックなどの写真を見て壮大な滝の情景を想像していたけれども、眼前の滝は、幅が30mで、77mの落差があるというのだけれども、今年は雨が少ないせいか、水量が少ないどころか、ちょろちょろ流れる程度で、凄まじさは全くない。布引の滝である。お陰で水量が多い時には行かれないような場所に登って写真を撮っている。
 写真撮りが終わると、引き返して、12:51に分岐点まで戻ってきた。これからはずっと往路を引き返すことになる。13:09に「一の汗 頂上まであと2600m」を通過。。13:13に沢の渡渉。そこで二人の若い男性外国人が休んでいた。どちらの青年も宮崎県の高等学校で英語を教えているという。一人はニュージランドから、今一人はカナダから来ていると言うことであった。
 13:20に木橋を通過して、13:33に行縢神社の鳥居まで戻ってきた。前にトイレがあったので、トイレをすませて13:40に駐車場に戻り、入浴の支度をする。途中大きな杉の木があったので、何人でこれを取り巻くことができるかという問題になった。結果は4人であった。

 行縢青少年自然の家に行くと、リーダーが手続きの書類を書いて、所長さんが我々を案内してくださる。「入浴の前に天下一品の行縢山が見える場所へ案内しましょう」と言って私たち一行を屋上へ案内してくださった。ここは昼前に私たちと「ヤッホーコール」をした所でもある。上を見ると本当に素晴らしい眺めである。
 お風呂は男性10名は大浴場、女性は3つの風呂に分かれて入った。下山後直ぐに入浴して汗を流せるとは本当に幸せである。本当に有り難く、厚く御礼を述べて退所する。
 14:30に出発して大分、椎田道、北九州空港の横を通って東北九州ICから徳山西IC経由で20時半に徳山駅に無事到着した。二人のドライバーはさぞお疲れだったと思う。 
お陰で楽しい山歩きと高千穂の観光ができ、みんな満足し、互いに御礼を言って家路についた。本当に良い旅だったよ。感謝。感謝。

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