夢にまで見た世界自然遺産「白神山地」に踏み入る

2007年7月7日

 東能代駅でレンタカーのマイクロバスに乗り込んだ一行は午前8時に出発して、国道101号線を北進する。10分ぐらい走ると風の松原、更に進むと米代川を渡る。平行して走っている線路はJRがクルージング トレインとして力を入れている五能線で,海岸線の眺めは抜群である。8;50に八森の展望所に到着して休憩。海を眺めたり、観光案内板を見たりする。そこにはアオモリマンテマ、ツガルミセバヤなどの花が紹介してある。お天気は快晴、日本海も穏やかで信じられない程のなぎである。右手の小高い山肌には八の文字がくっきりと読める。

 9;10に出発して更に北進を続けると、9:23に秋田と青森の県境を通過、9:34に白神岳登山口を通過する。右手奥に白神岳が聳えている。これから登れば、歩行距離は約20km、歩行時間は6時間10分とガイドブックに書いてある。私達の仲間には、ここから頂上を目指したい人もいるだろう。でも今回は本州最北端の観光が主であるから、散策コースから大崩までの山歩きで我慢している。

 9:30、十二湖方面へ右折する。9:50、日本キャニオンが右手に見えてきた。一行は車を下りて、森の向こうに見える日本キャニオンをカメラに納める。周囲の樹木には高いところまでツルアジサイの白い花が咲き乱れている。

 10:08に日本キャニオン展望台入り口に到着する。ガイドブックなどでは、散策モデルコースとして、

「王池ー八景の池ー日本キャニオン展望台ー日暮れの池ー十二湖リフレッシュ村ー青池ー十二湖ビジターセンターー王池」が紹介されているが、私たちには、大崩までの山登りがあるので、散策コースを全部巡る必要はない。

 この入り口から日本キャニオン展望台を目指す。「キャニオンとはどういう意味?」「峡谷という意味だよ」このような会話を交わしながら木漏れ日の射すブナ林の緩やかな坂道を登って行く。10:10に展望台に到着する。先程道路から見たのとは、全然違う。崩山や大崩を背景に白い峡谷が眼の前に見える。でも想像していた程の見ごたえは無い。何と言ってもアメリカのグランド キャニオンの名前が邪魔をする。

 これから散策コースを奥に行けば、日暮れの池の方に通ずるのであるが、私達はレンタカーが待っている八景の池の方に引き返す。車に乗る前にボートが係留されている八景の池の写真を撮っておく。

 マイクロバスに乗り込んだ一行は、10:27に出発して奥の駐車場を目指す。車道も散策コースになっているので、多くの観光客が歩いている。左側に、次々に大小の池が現れて来る。二つ目の池、続いて10:29に大きな王池、10:32にビジターセンターを通過。ここには帰りに立ち寄れば良い。「ビジターセンターのビジターとはどういう意味?」「ビジターというのは訪問者、観光客の意味ですよ」と話していると、すぐに落ち口の池、鶏頭場の池、そして有料駐車場に到着する。入り口で支払いをして上の駐車場に上がって駐車する。

 下車した一行は10:40に散策に出発する。駐車場から階段を下りて挑戦館という大きなお土産店の前を通り、鶏頭場の池の方に下りて行く。散策路の入り口に露店商もある。仲間の中には、ここで白神山地の花アルバムを買う人もいた。、鶏頭場の池にそって歩いているとシモツケソウ、カラマツソウらしき花があった。

 10:52に青池に到着する。展望台から見ると本当に青い、インクを流したような色で、上から光が入り、透明なので底に枯れ木が横たわっているのも見える。カメラに納めようとするが、この神秘的な水色は出てこないだろう。自分の眼に焼きつけておく他に方法は無い。

青池と鶏頭場の池の間の広場が大崩、崩山、更に進めば白神岳に通じる登山口である。案内標識には「大崩まで2.3km、1時間半」と書いてある。貼り紙には「ツキノワグマに注意」とあるが、これだけ人数がいれば、大丈夫だろう。

 

  10:35、登山口にある「白神山地世界遺産」の案内版の所に立っていた公園指導員が標識に書いてある「2.3km,1時間30分、気をつけて行って下さい」と見送ってくださった。最初はサワグルミ林のゆるやかな登りである。しばらく行くと、前のほうから「タヌキの糞があるから気をつけて」という声が聞こえる。Oさんにクジャクシダ、ジュウモンジシダを教えてもらう。道はだんだんと厳しくなり、ジグザグになってくる。妻はゆっくりペースなので、私達は最後尾、仲間と離れてしまったが、12:27にやっと大崩展望台に到着だ。皆はもう弁当を食べている。断崖絶壁の下を見下ろすと、広いブナ林のあちこちに大小の湖が見える。ここからの眺めで「十二湖」と名付けたという説もあるが、数えている暇は無い。
ウリノキ
 十二湖展望台で写真を撮ったら、急いで昼食。12:43には、もう下山開始である。ゆっくり組は、休憩や食事時にといつも忙しい思いをする。

いつものことながら山を下りる時には、「こんな所を歩いたかしら?こんな急な所を良く登ったものだ」と思う。下りは楽なので、少し周囲の様子に気を配ることができる。珍しい花に出会うと、名前は分からなくてもカメラに納めておこうという気になる。

第2展望台を過ぎ、1:26に登山口から1.2kmの案内標識に到着して小休憩。ここで写真を1枚撮る。

トリアシショウマ
クガイソウ
 ここの休憩の後、近くにあるブナの大木を利用して、ブナが大地から吸い上げる水音を聴く実験をする。鯵ヶ沢の「ミニ白神」コースへ行けば、聴診器が備えられており、希望者は水音を聴く体験ができるそうだが、残念ながらこのコースにはそのような施設はないらしい。そこで、試しにペットボトルで実験することにした。ペットボトルの底を上手に幹に当て、口の方を自分の耳に当てる。各自が持っているペットボトルを取り出して実験を始める。自分は何か良く聞こえるような気がした。今までは直接耳たぶを幹に押し付けて聴こうと試みたが、聞き分けるのは難しかった。しかしペットボトルを使えば役立つような気がする。実験をした人の半数ぐらいは聞こえるということだった。この時の写真を撮るべきであったが、一所懸命の実験で、カメラを構える余裕がなかった。そこでこの後にブナの原生林を散策する折に撮った写真を参考に下に示しておく。読者の方はこれから機会があったら是非試してみてほしい。その結果を御一報していだだければ嬉しいのだが。なお、より良い方法があったら、どうぞ御教示願を。

 勿論、水の音を聴くのも1年中ではない。一番良いのは、、ブナが水を勢い良く吸い上げる6月だそうで、これから離れる程、難しくなり、9月以降は翌年の木の芽が出るころまで望めないらしい。

 ブナ談義が長くなったが、私達の山仲間一行は午後2時前に登山口に無事帰って来た。青池の様子は午前中と感じが違うので、再度写真を撮りに行く。そして上でカメラを構えていたKさんから声をかけられて、そこにいた仲間がポーズ。Kさんの写真もここに掲載させていただく。

 青池の神秘的な雰囲気を堪能した一行は、そこからブナ原生林の散策コースを進む。

 ブナの原生林から上に掲げた写真、沸壷の池で写真を撮ったのが2:12分、それから車道に出て、上掲の挑戦館に戻ったのが2:23であった。お店に入ったら先ず、トイレに駆け込む。それから買い物ということになる。駐車場へ戻って、そこを出発したのは2:35であった。

 夜行列車で朝着いて、、午前8時から午後2時半、好天気に恵まれ、楽しい仲間と北の国、世界遺産白神山地の美しい自然の中で充実した時間を過ごすとが出来て本当に幸せである。帰りにビジターセンターに立ち寄ると思っていたが、前から大形バスが来たからか?バックして、右の道へそれてしまった。残念。

 3:30に千畳敷海岸、4:20に道の駅、4:43に深浦の町、5:15に目的地不老ふ死温泉に無事到着する。安全運転のドライバーに感謝。感謝。その日の夕日、そして御馳走は格別であった。良い所に連れて来て下さったリーダーありがとう!

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