月見る月はこの月の月

月々に 月見る月は多けれど 月見る月は この月の月
( 詠み人知らず )

この句は百人一首でよく知られている句であるが、本当に今宵(2017年10月4日)、私達の天文同好会会員がふるさと詩情公園に集合して、仰ぎ見た月はこの句に詠まれた月である。
最初に掲載した「中秋の名月」の写真は、その「月見の会」(観月会)の折、リーダーがセットされた天体望遠鏡にスマートホンを当てて撮ったものである。
中秋の名月は、旧暦の8月15日で満月と思っていたけれども、今年の場合、今宵私達が仰ぎ見た月は満月ではなく、「十三夜」だそうだ。2日ほどずれている。本当の満月は、2日後の10月6日に当たるようだ。その説明は国立天文台の「中秋の名月は満月とは限らない」
https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2017/10-topics02.html を見てもらいたい。
いずれにしても、今宵は雲もなくて、終始立派な「中秋の名月」を仰ぎ見ることができて、昔の幼子たちが楽しく集い、ゆっくりと美しい月を仰ぎ見ることが出来て本当に幸せであった。この場を借りて、お世話になった会員の皆様にお礼を申しあげます。
名月や ここにも集う 幼子たち

2017年の「十三夜」

今年の「十三夜」は11月1日、10月4日の「中秋の名月」から1ヶ月たった、旧暦の9月13日にあたる。今宵も私達、天文同好会の会員はふるさと詩情公園に集って、栗や柿を食べながら楽しい月見会を行った。
ここに掲載した写真は前回と同じように、天体望遠鏡にスマートホンを当てて撮影したものである。

「十三夜に曇り無し」と言われているように、今宵は本当に快晴で、一片の雲もない十三夜の月を仰ぎ見ることが出来た。
「十三夜の月は」は、日本では古くから愛され、「栗名月」「豆名月」「後(のち)の月」などの名前がついているほど、昔から日本人の大事な年中行事になっているものである。
だから樋口一葉の小説「十三夜」があり、歌謡曲には石松秋二作詞、長津義司作曲の「十三夜」がある。歌は小笠原美都子、美川憲一他色々な歌手によって歌われてきた。

川岸(かし)の柳の 行きずりに
ふと見合せる 顔と顔
立止まり 懐しいやら 嬉しやら
青い月夜の 十三夜

この他に、鈴木雅之、さだまさしなどが作詞した「十三夜」もある。

俳句でも次のように色々な俳人が詠っている。

  • 朝の晴 つなぎて今宵 十三夜        稲畑汀子
  • 集ふ場所 ありてすなはち 十三夜      稲畑汀子
  • 後の月 かしこき人を 訪ふ夜哉       与謝蕪村

「英語で何というのだろう」という話題も出たが、やはりThe Thirteenth Night of a Lunar Monthであろう。

因みに英国人のシェイクスピアは「十二夜物語」”The Twelfth Night, or What You Will”を書いている。

2018年10月21日
昨年の十三夜から1年たった今宵も晴れ渡り、明るすぎる秋の夜である。というのは、今夜は単に「後の月」の月見会だけでなく、「オリオン座流星群の活動が極大」ということで、私達の天文同好会会員がいつもの観望所に集まったのである。これだけ明るくては、オリオン座流星群で、星が流れても、中々私達の目に止まりにくい。天体望遠鏡で十三夜の月や星の観察をするのが中心になる。
「十三夜に曇りなし」と言われているように、十三夜は今宵のように晴れて、明るい確率が高いのであろう。お陰で次に掲げるような写真を撮って貰うことが出来た。感謝!
   

  •    稲懸けて 里しづかなり 後の月   蓼太
  •     

       

  •    オリオン座 流星見えず 十三夜   Macfuji
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